はだかの王子さま
「要は、気に入らないヒトをすぐ追放する、ワガママ王がいて。
 追放、とか言われたのを良いことに、二人仲良く逃げ出して来た、ってことでしょう?」

「うん!」

「まあ、そうだが……」

 星羅は、嬉しそうに。

 お父さんは、不承不承うなづいた。

「そんなのたいしたこと無いじゃない!
 しかも、お父さんは、こっち側でも大事な仕事を任されたまま、なんでしょう?
 追放されるほどの罪、って言うから。
 わたし、もっと大変なヤツを想像しちゃった」

 安心してため息をついたわたしに、星羅は、キラリ、と光る目をわたしに向けた。

「そう? 例えば、どんな罪?」

「星羅やお父さんが暴れて、誰かに怪我させたり、死んじゃったりした、とか」

「……」

 どうしても、まともに星羅の顔が見れなかった分。

 わたしは、このとき、いきなり顔色の変った星羅のことは知らなかった。

 の~~てんきに、指折り数えながら、わたしにとっての大きな『罪』を並べてみる。

「どっかの家から、大事な貴重品を盗んだとか。
 だけど、それは、追放の原因じゃないんでしょう?」

「……まあな」

 そのまま黙った、星羅の代わりに、お父さんがそれで追放されたわけじゃない、と請け合って。

 良かった良かったって。

 何にも知らずに、星羅の背中をばしばし叩いちゃったけれど。

 このとき、わたし、すっかり忘れてた。
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