はだかの王子さま
 わたしが、そんなことを良く考える暇無く。

 星羅が何か言う前に、お父さんが割って入った。

「そう言ったわけで。
 ビッグワールドとフェアリー・ランドは一年に一度、必ずつながるのだが。
 今年は『特別』な年なんだ」

「なんで?」

 首を傾げるわたしに、お父さんは言った。

「桜路が人間の姿を手に入れただろう?
 だから……」

「この世界に、追放される理由がなくなる!?」

「……その通り。
 しかも、ヒューマン・アウトした姿は、ビッグ・ワールドでも中々見ないほどに整っているからな。
 容姿を理由に、桜路を追放し続けるわけにはいかなくなったんだ。
 しかも、去年から今年にかけては日蝕だの月蝕だの星の流れの関係で、莫迦みたいにビッグワールドへの扉が開く分。
 これから来年まで、丸々一年。
 フェアリーランドの大扉が開くまで、地球上のどこにも、異世界への扉が開くことはない」

 ……でも、それって……!

「星羅が、向こうの世界に帰っちゃうって言うコト……?」

 しかも、ちょっと、星羅がビッグ・ワールドに帰ろう、と思い立っても一年間は丸々会えないってことだ……!

 心配になって聞くわたしに、星羅はううん、と首を振った。

「帰んないよ。
 僕は、王族の義務って言うヤツをこなすより、デザイナーの仕事の方が好きだし。
 何より、真衣がここに居るし、ね」

 星羅は、笑い、でも父さんは難しい顔をした。

「それを、ビッグ・ワールドの王や他の王族が信じれば、良いのだが……
 桜路がビッグ・ワールドに帰るかどうかで、一喜一憂する者がいる」
 
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