はだかの王子さま
 言ってお父さんは、目を細めた。

「桜路がビッグ・ワールドに帰ると都合の悪い者は、向こうだけではなく。
 同じ追放仲間のフェアリーランド内にも、いるかもしれない。
 だとしたら。
 事件を起こしても、ビッグ・ワールドに逃げられる、門が開く直前の今日から、門が閉じる五月一日までがとても危険なんだ。
 しかも。
 ほとんど桜路を直接狙う者ばかりだろうが、桜路が気に入っているお前を狙う者もいないとは言い切れない。
 だから、俺達がいない間、賢介を護衛につけるつもりだったんだが」

 お父さんは、困ったな、と、肩をすくめて、賢介を眺め。

 彼は、申し訳ないって頭を下げた。

「そんなコト言ったって、ねぇ?」

 事実は判ったけど、あんまり、実感って無いなぁ……

 だから、なおさら。

「幾晩も、賢介と一緒に居るってのは、やっぱり、ヤダ」

 こればかりは、いくら星羅が困った顔をしても譲れないもん!

 星羅は、頑張るわたしの手を、とった。

「ありがとう、真衣。僕を想ってくれて。
 でも、真衣一人じゃ危ないんだよ?」
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