生き残れ!主従ゲーム


頭を包むように優しく抱きしめているアテナに、ついに堪えきれなかったコレーが大声を上げて泣きつく。怖いのも嫌だというのも、全て我慢していたが耐え切れなくなったのだろう。
それでも、自分の意思は変わらず両親の為にゲームに勝ちたいというのだ。アテナは自分の両親の顔を思い浮かべて、すぐにやめてしまう。
コレーの為に、一つの決心を固めたアテナは少し屈んで頬の涙を拭ってやっていた。

「なあ、コレー」
「…は、い…っ」
「ゲームの内容、やっぱりよく分かんないな」
「…そう…ですね」
「だからさ、コレーが勝てるように私が協力するよ」
「……え…?」

軽く微笑みを浮かべてアテナは自信があるのか、立ち上がってコレーに背を向け舞台へゆく方向を向いた。背を向けてしまったアテナの表情が分からないコレーは、少し近づいて上着の裾を掴む。

「コレーとは同じ主人の方だけど…だからって手伝えないことはないはずだ」
「…どう、して……?」
「ん?」
「どうしてそこまで気にかけて下さるんですか?」

コレーは首を傾げながら背の高いアテナを見上げている、後ろ姿からでは感情を読み取るのは難しいがどうしてもアテナに聞きたかったのだろう。自分を助けてくれる、理由を。

「……コレーが可愛いから、かな」
「あっアテナさん……!?」
「さあ、急ごうか。馬鹿が余計なことするから時間はロスしたけど、まだ間に合うよ」 「は、はい! あの、アテナさん」
「ん? どうかしたか?」
「…わたし、アテナさん好きです」


笑ったような声に思わずコレーはからかわれたような気分になったのか顔を赤らめたが、すぐに振り返ったアテナは元気な笑顔を向けていた。
それに少し安心したのか、大きく頷いたコレーは少し仕返しも込めて口を開いた。もちろん、きょとんとした表情を浮かべるアテナではあったがすぐに笑顔に戻っていた。

「ありがとう」

その一言を口にすると、すぐにまた二人は手を繋いで町を一気に駆ける。
男が絶命してからはこちらに対する監視の目がない様子で、やはり付けられていたのかと思いながら警戒を続けていたアテナだが邪魔が入るようなこともなくスムーズに町を抜けることができた。
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