生き残れ!主従ゲーム


逃げれないように、男の背中膝を置いて頭と腕を押さえつけていたアテナが男の言葉に反応して頭を上げさせる。コレーは息を整えてからアテナの後ろに引っ付いて、怯えた視線を男に送りながらも話を待っているようだった。

「このゲームはなぁ…主催してる側が遊んでるだけの殺人ゲームだ、ルールをみて違和感無かったのか? へっ、貴族様の考えることなんざ俺ら庶民にはわかんねぇがな。ここで減らすってのも、ゲームに関わり合いがあるってことだよ! お前ら参加者は舞台にたどり着こうが付けまいが、全員死ぬ運命にあ」
「───下種が」

アテナは落ちていた剣を拾い、男の首に突き立ててそのまま貫く。コレーは目をぎゅっと瞑り、その光景から目を逸らす。アテナは不愉快そうな表情のまま。剣を抜く、返り血がアテナのズボンや上着に付着してしまっているが構わないといった様子でそのまま立ち上がる。

「私がついていながらこんなことになって、本当にすまない…」
「そんな…! 良いんです…あの……わたし、アテナさんがいなかったら…この人に、殺されていました…だから……だから…!」
「良いんだよコレー。気を遣わなくていい、殺したことに変わりはないから」
「…アテナ、さん……」

目にいっぱい涙を溜めて首をゆるゆると振るコレーに、血が付いていない方の手で頭を撫でる。嫌な物を見せてしまったということと、怖がらせてしまったことに対する謝罪だったコレーは泣きそうな表情のまま俯いていた。
困ったように笑うアテナを真っ直ぐ見れないコレーは自分は彼女に酷いことをしている、と自分自身を責めていた。


「…この男の話を信用するかどうかは、コレー次第」
「え……?」
「コレーを送ることが目的だから、ゲームの参加について私はどちらでもいいんだ。…行くか、それとも…」
「行き…ます」
「……コレー…」

コレーは涙を袖で強く拭いながら、小さく口にする。驚いた様子のアテナを真っ直ぐ見ながらコレーは首を振った。

「わたし、ゲームに勝たなきゃ…いけないんです」
「ゲームに、勝つ?」

コレーは嗚咽を漏らしながらも、アテナに伝えようと頑張っている。ゆっくりでいい、というアテナに撫でられながらコレーは自らの拳を握りしめた。どういうことかと、戸惑いを隠せないアテナにコレーは続ける。

「おかあさんと、おとうさんを楽に…生活させて、あげたくて…っ…」

だから、と続けようとしたコレーをアテナは抱きしめる。理由はなかった、コレーが必死だということが痛いほどにアテナに伝わったから、こうせずにはいられなかったのだろう。コレーはアテナの腰に軽く腕を回してしゃくり上げる。

「ふえ、うっ…うわぁあああああ…!!」
「コレー……」




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