僕はショパンに恋をした

空色

結局、俺たちは横浜の駅近くのホテルに泊まることにした。

とりあえず、明日の朝、ロビーで待ち合わせることにして、それぞれの部屋に入った。

全く、おかしなことになってしまった。

こんなはずじゃなかった。

ただ、妙なことになりはしたが、とんでもなく嫌かといえば、そうじゃないから困ったものだ。

俺は部屋に入り、すぐにシャワーをあびた。

汗を流しながら、ふと思い返す。

ホテルにつくまでの道中は、二人で適当に話した。

話の流れで、シオンが留学のためではなく、知り合いに届ものを渡しに来たということ。

そしてしばらくは日本に滞在したいということ。

後は、俺の予想だが、どうやら親には内緒で日本に来たということ。

ガキのくせに、ちょっとやるじゃねぇか。

思わず、にやりと笑ってしまう。

シオンはと言えば、ピアノの話を聞きたがった。

だから俺は、『cafe ♪』の話や、霧野さんの話、紅茶のこと、もちろん大橋ピアノの事も話した。

シオンは、その間中、楽しそうに聞いて、相槌を打っていた。

まるで絵本を読んでもらっている子供みたいだった。

霧野さんにも逢えなくて、ピアノにもまだ逢えてないのに、意外とおだやかにしていられるのは、不本意ながらシオンのお陰かもしれない。

そんな事を考えながらベットにもぐりこむと、俺はあっという間に深い眠りに落ちた。
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