先輩とあたし【完】

授業が始まりポケットにしまいこんだ手紙をそっと広げる。
"放課後、6時に学校近くの公園来い"
また色々言われる。でも、大丈夫。私は大丈夫。
そう言い聞かせながらその手紙をくしゃくしゃにした。

部活が終わり先輩の元に走る。
「先輩、今日は中学のときの友達と待ち合わせがあるんですみません」私は先輩にそう告げる。
「あ、そうなんや!!じゃあ、また帰ったらメールするな」
私は微笑んでその場を立ち去った。

私は自転車に跨いで先輩に呼び出された場所に行く。
いつものように先輩は私を睨んでこちらに向かってきた。

「へー今日も来たんやーあんたて根性あるよな。でもそれがムカつく。」そう言いながらまだ降りていない自転車を蹴りとばす。私はもちろんコンクリートの上に転がる。

「先輩たちって小さい人間ですよね。こんなことして俊哉先輩が本間に振り向いてくれるとか思ってるんですか?」私は立ち上がりながら先輩に威嚇。今日こそはやられるだけがダメなんだと思った。自分からいかないと。

先輩は私の髪の毛を引っ張る。
「お前、何様やねん!!死ねや!」今度は私の体を踏みつけてくる。私はその足をどけようと必死になる。

「何しとんねん」女の先輩の暴言の中に男の人の低い声が聞こえる。
私を含めた三人が動きを止めてその方向を見る。


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