先輩とあたし【完】

「でも伊織は俊哉が好きでいつの間にか付き合ってた。でもやっぱり諦められんくて俊哉に自分の気持ち言った。俊哉びっくりしてた…でも、俊哉の気持ちとか聞いてたら伊織が幸せやったら…楽しそうにしてるんやったらそれでええな…って思った。だから俊哉と伊織のこと絶対に守るって約束した。」
私はポロポロ涙が溢れてきた。稲森先輩がどれだけ私のことを思っていてくれたのか…そう思うと胸が苦しくなった。ちょっかいかけられたりわざとらしい言葉を言われたり嫌なこともいっぱいあった。

でも先輩の言葉にはいつも温かさが混じっていた。
いつも私の側に居てくれた。思い返すと隣には稲森先輩がいつも居てくれた。

「俊哉…お前か守られへんのやったら俺がさらっていくで。俺が守る」稲森先輩は俊哉先輩に強く言い切った。

「准弥、二人にしてくれへん?伊織と話したい…」
俊哉先輩は稲森先輩に頭を下げた。稲森先輩はコクンと頷いて学校の方に行ってしまった。

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