先輩とあたし【完】

「伊織…ごめんな…俺、何も気づけんかった。俺、焦ってたのに…」私がびっくりしたような顔を見せると先輩は話を続けた。

「俺、准弥に伊織が好きて言われて童謡した。俺といるときよりも素出してて、伊織は准弥を嫌そうに言ってたけど全然そんなことなかったんやで。きっと伊織は准弥を分からんうちに…」私は否定がしたくて口を開こうととしたけど先輩に手で遮られた。

「分かってるよ。混乱してるよな。いっぱい言われたら分からへんよな。ごめんな、伊織…」そう言って先輩はぎゅーっと抱き締めてくれた。

分からない…先輩が言うように混乱していて。
自分の気持ちも何もかも…
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