愛玩~夢幻の秘密~

「覚えてないとか…イチゴとか。あたしには全然分からない!!」


2人をにらむように。


ジッと見つめた。


「アニキの母親、若年性の痴ほう症だったんだよ。」


ため息まじりに重い口を開いた。


「それがどうしたの?」


イチゴと何の関係もないでしょ。


「郁人が引き取られて、愛人の息子にこんな姿を見せたくないって。正気に戻った時にこぼしてた。それから数日後…自殺したよ。」

「だから憎かったの?」


そっくりな…娘のあたしが。


自殺の原因の郁人と幸せになるのが許せなかった?

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