愛玩~夢幻の秘密~

「郁人は責任を感じてた。だけど…アニキはそんなことはないって、親父が悪いんだって。郁人を責めるどころか、逆に慰めていたよ。」

「それが、今になって復讐?」


「本当に覚えていないのね…。」


奏凛さんは少し寂しそうな顔。


「母親が亡くなったのに、親父に涙なんか見せたら神乃木家を継ぐ者として恥ずかしいと言われたんだ。こうなったのも、全部親父のせいなのに。それはこっぴどく叱られていた。だからアニキのプライドが…あの親父の前で泣くもんかって。泣くに泣けなかったアニキが葬儀が終わった日の夕方、庭のバラ園でこっそり泣いたんだ。」


「まさか…あのバラ。」


一輪だけ飾られた。


鷹都の部屋のバラ。


その日のバラ?

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