傷だらけのシンデレラ
翔の告白と結衣の覚悟
「俺さ、難病なんだよ。だから今はまだ会えない。」
え・・・?
あたしは翔がなにを言ってるのかわからなくなった。
「なに・・?どういうこと?」
あたしが聞くと、翔は落ち着いた声で話し始めた。
「俺の視界から色が消えたり、朝起きて倒れたり
歩きづらかったりするんだ。薬もあるんだけど、
これの副作用がものすごい吐き気でさ・・・
だから俺は将来、歩けなくなるかもしれないし、
言葉もしゃべれなくなるかもしれない。」
「どんな翔でも翔だよ。
歩けなくても、夢は歩けるよ?
喋れなくても夢はしゃべれるよ?
だから大丈夫、夢が翔の一部になるから。
できなくなってしまったなら、全部夢が代わりにするから。
ずっとそばにいるから」
あたしは必死だった。
「難病」という壁に負けたくなかったから。
あたしが翔にいったことはすべて本気だった。
迷いなんてなかった。
まだまだ子供なのはわかってる。
だけどこの覚悟だけは、本物だったよ?翔。