ハチミツ×シュガー



「おすっ!

 ……てか、今日彼方いないの?」



 少し私を伺うように聞いてきた斉藤くん。


「うん。今日は別々なの」

 ……苦笑いになっちゃった。


「ふーん…。珍しいよな、彼方が如月の隣にいないの」


 斉藤くんは気付いてないのか、そのまま話す。



「そう…?」


 やっぱり西城くんが傍にいるのは目立つのか……。


「そうだろ?アイツ如月に話しかける奴ら、片っ端から威嚇してるぞ」

「あはっ 威嚇って!

 私に話しかける男の子なんてそうそういないし、たまたまだよ」


 笑いながら校舎に入ると、



「――如月」



 彼の、低い声。



< 390 / 771 >

この作品をシェア

pagetop