ハチミツ×シュガー







「次の時間自習になったから席替えするぞ!

 クラス委員、クジ作って仕切って」


 いきなり担任の先生が休憩時間中に現れてそんな事を言ってすぐ消えた。

 クラス委員の子が『面倒くさぁ!』と席に着いて、いそいそとクジを作り始める。



「……可哀想…」


 ぽつり呟くと隣にいた亜衣が、


「裏工作できないかなぁ」


 何て、言い出した。

 ……ていうか…


「裏工作して誰の隣になりたいの?」

 私が不思議に思い首を傾げると…


「そりゃあ、洋子とでしょ?」


 “ニッ”という効果音が聞こえそうなほどに口角を上げて笑う亜衣。
 私は顔を引き吊らせながら、視線をまた、クラス委員に向けた。



「まぁ、だいたいの女子は“アレ”目当てなんだろうけどね」


 そう言った亜衣。
 彼女が顎で指す先を見ると……



「ああ……彼、ね」



 そこには、キレイな顔をした男の子が座っていた。



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