ハチミツ×シュガー




 暑いな…。


 アイツ、倒れんじゃねぇの?



 日に当たった事なんてないような、真っ白な肌。恥ずかしくなるとすぐ顔を赤らめて、あんまりヒドいと涙目になって……

 俺を見上げるアイツの瞳にいつも――…





「――くそっ 思い出すんじゃなかった!」




 すぐにでも、会いたくて。……触れたくて。


 むせかえるような暑さの中、足早に、待ち合わせ場所まで急いだ。







 アイツと付き合ってから、すでに5年。

 気持ちをぶつけてからも色々あって…正直、もう無理かと思ったりもしたけど…

 ――どうしても、手放したくなくて。


 今も、片時も放せない。




「――楓!」


 ……瞬間。


 彼女の瞳に、俺が映る。




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