ハチミツ×シュガー



「キャ―――ッ」


 叫び声に、ハッとした。

 周りを見ると、クラス中の女子がこちらに注目していた。


 ――なんで…っ



 私が斉藤くんに渡そうとした箸を、後ろから伸びてきた手が奪った。

 そして反対の腕で、私を後ろから抱き締める形になっていて……。



「は…」


 さすがに斉藤くんも固まってる。

 私も、固まった。


 周りの女子は悲鳴をあげっぱなし。



「悪いけど、こいつからの弁当はやれないから」

 そう言った男子は、私から箸とお弁当を取り上げ教室から出て行った。






「あっ 彼方…?」


 斉藤くんは去って行く男子を見ながら呟く。


 私は顔を真っ赤にしたまま動けない。





 今のって……


 西城くん、なんだよね……?



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