ハチミツ×シュガー




「お邪魔しました」
「お邪魔しました。 またな」


 二人も帰る時間になり、玄関まで見送る。



「次は入学式にな」


 先輩の言葉に、隣の楓は「はい」と返事をする。


 ………俺に言った言葉なんだけどな…(笑)





 先輩達を見送って、二人リビングのソファーに腰をかけたと同時に、

「「はぁ―――…」」

 大きな溜息。



 少しの沈黙の後、二人顔を合わせて笑った。






「……今日はピザでも取るか」

「アップルパイも食べたいな」

「はいはい」




 二人で過ごす何度目かの夜。


 楓は徐々にだけど、俺に甘えるようになってきた。



< 754 / 771 >

この作品をシェア

pagetop