ハチミツ×シュガー




「花嫁の父みたいなもんじゃない。

 ……寂しくなるんじゃない?」


 ニヤニヤする下川は、俺をからかうのがよほど楽しいらしい。



「楓、あと少しで始まるぞ」


 開いてるドアから現れたのは、大袈裟でなく、本当にどこかの王子かと見紛う西城だった。



「やっと来たか」

 俺に気付くとふっと笑う。



「じゃあ、私達も教会に行きましょ」


 西城と楓以外の奴らはゾロゾロ部屋から出ていく。

 俺も後ろからついて行くと

「皇!」

 後ろから、楓が少し慌てたように呼び掛けてきた。



「皇、少しだけ……」


 俺と楓を見て西城は何かに気付いたのか、楓に「外にいる」と言って出て行く。

 洋子も俺を置いて出て行った。



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