ハチミツ×シュガー




 そんなに長い沈黙じゃない。


 光溢れるこの部屋には、俺と楓だけだ。






「このドレス……どう?」


 震える声で聞いてきた楓。

 優しく微笑んでる。



「似合ってるよ。

 すごくキレイだ」


 笑顔で答えた俺に、楓は微笑んでいた顔を俯かせた。



「楓?」


 近付くと、肩を震わせていた。



「かえ…」

「皇……私、彼に逢うまで、世界には皇と私だけでいいと思ってたの」



 顔を上げた楓は、瞳に涙を浮かべていた。



< 761 / 771 >

この作品をシェア

pagetop