Only One



『クスッ――…ちょーっと、白状剤を打っただけなのにね??』

「っ――!?」


もしかして、郁人さんに…っ!!?


『兄貴に、何したのっ!?』

『ククッ…だーいじょーぶ。ちゃーんと吐いてくれたから、殺しはしなかったよ?でも…ちょっと抵抗したりしちゃったから、傷がないとは言えないけどねーははっ!!』

「あ…嫌…イヤ……いやぁっ!!」


そんな…

そんな……

郁人さんが――っ


そんなの信じたくない。

嫌だ、嫌だ嫌だ!!


『兄貴は今どこっ!?どこへやったの!?』

「智愛ちゃ――ッ」

バチッ

『うっ――』

「智愛ちゃんっ!!」


智愛ちゃんがあの人に詰め寄った瞬間、智愛ちゃんは倒れた。




< 158 / 212 >

この作品をシェア

pagetop