Only One
『何飲む?』
「ウーロン茶ください…。」
『酒じゃなくて良いの?飲めばいいじゃん。2人しかいないんだし。』
「………」
だからこそだって、気付かないの?
やっぱり男の人は最低だ。
自分の欲望を満たすためだったら何でもする。
どれだけ相手に迷惑がられてたって、気付きもしない。
人の感情なんて、気にも留めない。
だから嫌なんだ、男の人は。
もう信じない。
絶対、信じないんだから――!!
『すいません、生ビールと、ウーロン茶ください。』
『はい、かしこまりました。』
木下さんが注文すると、満足そうに、またメニューに目を移す。
『芹那ちゃんは何か食べたいものは?』
「……!」
嫌だ嫌だっ……!
男の分際で、私の名前を呼ばないで…!
『芹那?』
「っ!!」
その上、木下さんは私の手まで掴んできた――…。