空の君へ〜命をみつめた真実のラブストーリー〜
「俺、アイスでも買ってくるわ」
「「優!」」
あたしと陽の声がハモる。
「んじゃ、行ってくる!」
笑顔で優は部屋を出て行ってしまった。
どうしよう……。
陽を避けているのに、ふたりっきり。
あたしは起き上がり、陽はベッドの下の絨毯に腰かけた。
「大丈夫か?」
「うん…。ありがと」
「よかった。」
「あの!陽のケータイ……。落ちてたよ」
そういって、ケータイを渡した。
陽に聞いてもいいかな?
「ありがとな絢」
「うん…。あの…、陽に聞きたいことがあるの」
「なに?」
知りたいことがたくさんある。
聞きたいことがたくさんある。
でも……
それを全部知ってしまうことで陽への気持ちが薄れるのなら、あたしの陽への想いはそれだけのものだったってことだよね?
「陽と由美はつきあってるの……?」
「唐突な質問だな……」
「答えたくないならいいの!ごめんなさい」
「もしかして……それが原因で試合も、文化祭も断ったわけ?」
もしかしてって……
気づいてたんだね
あたしは、コクリと頷いた。
「絢は俺が由美と付き合ってるって思ってたんだ…?」
「うん…」
「由美とは付き合ってた。それも、1年前の話だけど……」
「…陽がイヤじゃないなら、話してほしいな……」
「イヤじゃねぇよ。ま、いずれ話そうと思ってたから……。聞いても、俺から離れないでくれるか?」
「え……?」
「そんなの、聞かなきゃわかんないよな……。実は……」
陽は、独り言のように、話し出した。
いつも、自信家の陽が珍しく、聞き取るのがやっとのような小さな声で