空の君へ〜命をみつめた真実のラブストーリー〜


あたしは教科書を忘れたことにして、
授業中は由美に見せてもらった。

そして昼休み……。


あたしは教科書購入を頼みに職員室に足を運んだ。







「どうした? 教科書が全部必要だなんて……」


「あ。いえ……」


「ふーん……。じゃあこの紙にクラスと名前。あと封筒にお金を入れて持って来てくれ」


「はい。ありがとうございます」







陽とは今日は顔を合わせづらい。
一緒に帰らない方がいいだろう……。

そう思い、昼休みの残りの時間に3組に立ち寄った。







「どした? 珍しく3組に来るなんて。いつも人が多いからって来ないのに……」






優があたしに気づいて声をかけてくる。

教室を見回しても陽がいない。
休み?






「優。 陽、来てる?」


「あー……。陽は今日、サボり。昨日オールでバイトしてたみたい」


「そっ……か……」


「んなあからさまに寂しい顔すんなよ」


「してないよ! 優、ありがとう」







安心した。

陽が学校に来てなくて。
たびたび学校をサボる陽。だからとくに連絡も取らない。






< 84 / 253 >

この作品をシェア

pagetop