罪線
「……あの……一つ聞いてもいいですか?」


「ん?なぁに?」


「私はそんなに酷い事をされているわけでもないし、辛くはないのですが、心が痛くならないんですか?」


心が痛く……か。


「一応犯罪だし……って事?」


岬ちゃんは無言で頷いた。


「アタシね、これが初めてじゃないんだ」


「初めてじゃない……?」


「うん。今から大体二年前……アタシがまだ二十歳だった頃の事」


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