誰よりも愛する君へ
その日はいつもより少し派手な服装で出掛けた。

理由は、梨華と一緒だということもあったけど、何より自分を「明るい子」に見せたかったから・・・。

約束の場所にアタシが着いた時には梨華がもう来てい

「もぉー、ハル遅いよ!」
なんて言ってアタシのお尻をバシンッて叩いた。

とは言ってもまだ集合時間の15分以上前だった。

「梨華、気合い入りまくり?」

「だってぇー。ケンに振り向いて欲しいもん!」

梨華はそう言って笑った。

でも、お目当ての『ケン』は、なかなか来なくって、アタシは梨華と駅の柱にもたれながらいろんな話しをした。

梨華の恋バナで盛り上がってたそんな時、背後から声がした。

「梨華?」

二人して振り向くと少しヤンキーぽい男の人が立っていた。

梨華はその男の人を見たとたんパッと表現が明るくなった。
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