誰よりも愛する君へ
「ゴメン!!姉貴の立ち会い出産に行って・・・」

「お前の姉貴は一年に何回子供産むんじゃ?」

「ワリー、ワリー。まあ、乗ってや!」

ケンは助手席のドアを開けてそそくさと車に乗り込んだ。

続いてアタシが車に乗ろうとすると梨華がそっと耳打ちした。

「薫、見かけは派手やけど面白いし、ええ人やからね!」

車の中ではケンが『薫』についていろいろ話してくれた。

「コイツは中里 薫。薫って呼んでやって!」

「よろしく!ハルちゃん!」

「よろしくお願いします。ってか、ハルでいいです」

「ほな、よろしくなハル」

ケンはちらちらと後部席を見ながら話した。
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