誰よりも愛する君へ
そんなある日、アタシの携帯が鳴った。

知らない番号。

誰?

そんなことを思いながら電話に出る。

「・・・・・・はい」

「ハル?薫だけど・・・勝手に番号調べたりしてごめんね。元気?」

「うん」

「この前は本当ゴメンな」

薫の心配そうな声がアタシの胸の中を掻き乱す。

「別に気にしてないよ。それよりアタシこそ、せっかく誘ってくれたのにごめんね」

「そんなことハルが気にすることちゃうよ」

「ほんとごめんね」

「ほんま気にせんでええよ。それよりハル、今度会えへんかな?ハルが嫌やったらいいんよ」

優斗を忘れたい。

淋しさを埋めたいの。

アタシの欲望が心を動かした。

「・・・・・・ええよ」

「ほんま?マジでええの?」

薫はよほどうれしかったのか声が上ずった。

「うん」

「じゃあ、ハルの都合のいい日に連絡くれる?アド教えるな」

そう言って薫はアドを教えてくれた。




その週の日曜日にアタシ達は会う約束をした。
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