誰よりも愛する君へ
目が覚めると目の前には捺くんの顔があった。

「ハル?大丈夫やったか?」

捺くんは心配そうにアタシの顔を覗き込んだ。

「・・・・・・うん」

「何か怖い夢やったちゃう?」

「うん・・・ちょっと・・」

「ハル、泣いてた。『お父さん』って言いながら・・・」

捺くんはアタシから目を逸らして悲しそうに言った。

「・・・ゴメン」

「別にハルが謝ることないやん!・・・それより、飯食おう!美加が作ってくれてるんよ」

捺くんは優しく笑いかけるとキッチンに向かった。
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