誰よりも愛する君へ
しばらくの間、みんな泣いていて、捺くんの鼻をすする音とアタシと美加の鳴咽が悲しいメロディーをかもし出していた。

今アタシがしなければならないことは・・・

ただ一つ。


アタシは手のこう涙でを拭い去ると立ち上った。

「捺くん。アタシ優斗に会いに行く」

「ハル?」

捺くんは驚いたように顔を上げた。

「アタシ・・・自分の気持ちはっきりさせなきゃ」

アタシがそう言うと捺くんは、すっと立ち上がって車のキーを持った。

「ハル・・・送ってくよ!」
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