誰よりも愛する君へ
「優斗ー、俺やけど入るで」

「どうぞ」

聞いたことのない女の人の声がして、アタシは部屋のネームプレートを見た。

『星野 優斗』

部屋は間違いじゃなかった。

じゃあ誰?

アタシは胸元に手を当てながら部屋に入った。

ベッドの周りにはカーテンが引いてある。

「優花、久しぶり!!」

捺くんは中に居た女の人と知り合いみたいだった。

何も言わないアタシに気付いた捺くんは簡単に女の人を紹介してくれた。

「コイツは優斗の姉貴。俺と同級生なんや」

「どうも。ハルちゃんやよね?優斗から話しは聞いとるよ」

優花さんはとっても優しそうな人だった。

「はじめまして。ハルです」

「優斗よろしくね。わがままな奴やで。優斗と話す?」

「・・・・はい」

アタシが控え目に頷くと優花さんは苦笑してアタシの髪に触れた。

「そんな緊張せんでええよ。昨日のことはハルちゃんのせいやないで」

「・・・はい、ありがとうございます」

優花さんはアタシの手を握って優斗の所まで連れて行った。

静かに寝息を立てながら眠る優斗の寝顔が凄く安らかで・・・・

アタシは不安になって優斗の頬に触れた。


ギュッと掴まれるアタシの指先。

「えっ」

「ハル遅い!!」

「優斗?」

ギュッと抱きしめられる。
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