オリオン座
「無理な話だろ」
「夢、持とうよ」
来宇は膨れっ面をしながら星を見上げている
「お前は、俺のこときかねぇの?」
「うん。だってあなたのこと聞いちゃいけない気がするの。気づいてるよ。私と同じことなんだって。だけど、あなたにはもっと他に深い意味があるような気がするから聞けない」
来宇の言う通りだった
俺はオリオン座に二つの意味がある
どうして、来宇は全部わかるのだろうか
「今日は一段とキレイだ」
「そうだね」
それから俺達は30分ぐらい無言で眺めてから帰っていった
俺は送るって一応言ってみたけど、予想通り拒否された
家につき、ベッドへ倒れ込む
柊矢に来宇と一緒に星を見たと言ったら怒るだろうか?
明日、偶然だとしっかり伝えなきゃな
そう思いながら、眠りについた
ピンポーン
何時?
誰?
寝ぼけながら、玄関を開ける
そこにいたのは来宇だった
「なんだ?」
「昨日とか、余分なこと言ったかなと思って」
「そんだけ?」
「・・・うん。てか、なんで私来たんだろう?」
なんだこいつ?
「ねぼけてんの?」
「気づいたらいた」
「はぁ?」
すると、来宇は少し考えて思い出したように目を開けた
「あんた、昨日すごく悲しい顔してたから・・・」
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