オリオン座
「気のせいじゃない?」
「そうかもね・・・。」
沈黙が続く
こんな二人でいること、柊矢にばれたらやばいな
「あのさ、学校行かんの?」
「あっ、そうだ学校ね!うん行く行く!なんか、ゴメン」
そう言って、自転車に乗って行ってしまった
今日の来宇は少し様子が違って見えた
ウ゛ー
`柊矢´
メールだった
『おはよ
今日さ、来宇チャンと光チャンとで遊ばねぇ?』
あいつはどこまでも、来宇のことがスキなんだな
『いいよ』
返信は10秒で終った
ウ゛ー
『じゃ、学校来いよ』
学校面倒くせぇな
でも、今日は柊矢に一昨日と昨日のこと言わないでいられないから仕方ないから行くことにした
支度を終え、学校へ向かった
学校に着くと、柊矢のノロケを散々聞かされ自分の話を聞いてもらえず、結局言うのは5時間目が終って帰ってる途中だった
「なぁ、俺、オリオン座スキじゃん。知ってるよな?」
「知ってる」
「んで、いつも見てた場所に夜行ったらさ、あいつもいたんだよ」
「あいつって来宇チャン?はぁ?まぢで?お前、夜会ってたなんて」
柊矢はもどかしいような、怒っているような顔をして大声を出した
「まぁ、落ち着けって。なんで来たのか聞いたら、俺と同じような理由だったんだよ」
「なんだよそれ」
「あいつの家族もオリオン座がスキで亡くなってしまったらしい」
「そんな、過去があるんだな」
少しの沈黙の間俺はオリオン座のことを思い出した
あの時の悲しみは絶望的だった
だからこそ、オリオン座を見たくなるのかもしれない
「すごいよな、同じ理由でオリオン座見てるなんて。てか、やっぱまだ消せてないんだな」
「わからん。今日の夜、あの公園にあいつ来るんじゃね?」
「あ、来るかな。今日やっぱ、遊ぶのやめて夜会いに行こうかな。お前は?」
「俺は行かないよ。二人きりなりたいだろ?」
「まぢ?サンキュー」
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