冷たい彼は芸能人!!
「俺、前に華に身内の話したじゃん。あの女性、明美さんって言うんだけど、明美さんも俺と同じような目にあってきた人なんだ。
でも、彼女はもう、旦那も子供もいて・・・
俺、それが悔しかったんだろうな。
それで、自分は明美さんが好きなんだって錯覚して・・・
でも、華と別れた後、俺きづいたよ。
自分は十分幸せだったんだなって。愛されてたんだな~って。
本当にごめん。俺・・・」
「もう、いいよ。」
俊の気持ちは十分伝わってきたよ。
「あたし、すごく苦しかった。裏切られるってこういう感じなのかな?って。」
「ごめん。」
「誤らないでよ。あたしが惨めになるじゃん。
俊はさ、今、幸せ?」
「・・・・どうだろ?」
「あたしは、俊が幸せなら幸せだよ。だからさ、早く本当に愛せる人、みつけて笑ってよ。
あたしはその笑顔だけで幸せになれる気がする。」
こんな強がり、言っても意味ないのにね。
それだけいってあたしは俊に背をむけて道を歩き出した時。
「キャッ」
懐かしい香りのする服に包まれた。
「しゅ、俊?」
「俺、今でも華が好きだ。本当に好きなんだ。確かに、前は華を裏切った。
でも、俺それで気付いたよ。
俺っていろんなところで華を必要としてたんだって。
仕事でも、うまくいかなかった時はいつも華がはげましてくれてた。
朝の弱い俺に効くものをたくさん作ってくれた。
俺、なんで気付かなかったんだろうって。
すんげぇ後悔してんだ。なぁ、もう遅い?」
どうしよう・・・
涙がでてくる。
「・・・ううん。遅くない。あたしも、俊のこと好きだよ」
そういうともっときつく抱きしめてくる俊。