僕は無くしてしまったのか
ガードレールの足元には沢山の物が置かれていた。
花束
ジュース
お菓子
何故かぬいぐるみや玩具なんかもある。
勘弁してくれ。
俺は大学生だよ。
とりあえず俺は屈んでその一つ一つを眺めていく。
見れば見る程、俺は実感を無くしていくばかりだった。
昨日の出来事は夢だったのではないか。俺が昨日見ていたのは長い長い夢なのではないか。
とりあえず、俺は立ち上がる為にガードレールに手を伸ばす。
すると無情にも手はガードレールをスッとすり抜けた。
俺はガードレールを見つめてから、また置かれた沢山の花束やらに目をやる。
この一連の流れを何度か繰り返し、暫くすると俺は溜め息を吐いて自分の膝を支えにゆっくり立ち上がった。
立ち上がって見た街並みは
いつもより色鮮やかな気がした。