初雪メモリー[BL]
「何だ、唐突に。……くれるのか?」

「ああ、やるよ。お前誕生日なんだろう?」


海理はあまり自分の誕生日に無関心のようで、“そういえばそうだったな”と小さく言葉を漏らした。

まるで俺に聞こえないように言っていたつもりだけれど、聞こえている。


「……これは」

「いつも羽織だけだと……い、今の時期…………さ、寒いだろ」


海理が封を開けてその中身を見た瞬間、妙に照れくさくなって自分でも分かる位に声が震える。

俺が渡した物は毛糸の首巻と手袋。羽織と同じ藍色の。

いくら鬼で寒さや暑さに強くても、俺が見るに堪えられない。

だから少しでも温まって欲しいと思い、これにした。


「お前は気を使い過ぎだ。これがなくても羽織だけで十分だと言うのに。
だが、お前が何かくれるのは嬉しい事だ。ありがとう」


やっぱりどこか態度は大きいけれど、海理は小さく笑ってお礼を言ってくれた。

良かった。喜んでもらえたようだ。
< 16 / 18 >

この作品をシェア

pagetop