夜光虫
オレは睦美さんのアパートによく遊びに行くようになっていた。


睦美さんは一人暮らしで、誰にも気兼ねしないで良かったから。


「睦美さんは彼氏いないの?」


親しくなり、敬語も無くなっていった。


「うん。長く付き合ってた彼氏がいたけど、去年別れちゃったんだ・・・」


睦美さんは少し寂しそうな顔をして答えた。


「皐月ちゃんは?」


「オレ?オレは特定の人はいないけど、遊んではいるよ」


「そうなんだ~。皐月ちゃんモテそうだもんね」


オレが睦美さんと仲良くなったのは、毎日仕事も行き帰りも一緒だったからだけど、睦美さんが優しくて舐められやすそうな性格だったからだ。


だから一緒にいても全く気を遣わなくて良かった。


オレはこんな成りをしていても上下関係はしっかりしているし、先輩には常に敬語で接していた。
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