夜光虫
3月18日は陽菜の誕生日だった。


陽菜がいつか「この時計可愛い!」と言ったのを覚えていて、家庭教師のバイトをしてその時計を買った。


若い女性に人気のブランドのピンクの時計で3万位した。


本当は綺麗な夜景が見えるホテルも予約したかったけど、そこまでのお金は無かったので諦めた。


夜にアパートで小さなケーキを食べた後、陽菜に綺麗にラッピングされた時計を渡した。


「これ欲しかったの!でも、高かったんじゃない・・・?」


そう言って陽菜は自分の顔を窺った。


「いいんだ。バイトしてたし。それに四年になったら教育実習と教員採用試験で忙しくて、もう今みたいに会えなくなるし」


「そうだね・・・。これ宝物にするね。どうもありがとう!」


陽菜は寂しそうだったけど、納得してくれた。


自分は陽菜の笑顔を糧に頑張ろうと思った。
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