†穢れなき小鳥の殺し方†
見栄を張りたがる女は扱いやすい。
「ショウさん、ご氏名です」
遙香が来るときに限って俺は自分の乗客を誘った。
「ちょっと悪い」
「帰ってきてよ?」
そんな台詞に俺はにっこりと笑ってやる。
「今日はシャンパンな気分だな」
「・・・・・・ピンクでいい?」
ここで言う『ピンク』は俗に言う『ピンドン』こと『キュヴェ・ドンペリニョン・ロゼ』のこと。
うちでは1本10万円のシャンパン。
だから俺は、
「いいけど?」
なんて、軽く手を振って乗客の待つテーブルに向かった。