俺様王子の初恋




普段から、からかわれることは
よくある。
これでも前までは普通に友達も
いたし、地味でもなかった。




学年が上がるごとに、友達が
変わっていくことに不信感を抱いて
気づいたら、私の周りには誰も
いなくなっていて。




・・・一人で泣いて帰って
誰も行かないような遠い学校を
探して、受験した。









─────”一人が好き”。
失って傷つかないように、
失うものがないように。
人を寄せ付けない地味な格好は
思った以上に楽だった。




彼が知っていたのは私の表面。
誰よりも臆病で、現実から逃げた
私の”本当”なんて、知っている人は
誰もいない。




現に、私でさえ、分かっていないんだから。






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