俺様王子の初恋




「 ───さん、一之瀬さん! 」


「 は、はい 」




どっ、と笑いが起こった。
苦笑する先生の手には書類。
それを見ただけで何を言われるか
分かった気がして、目を逸らした。




「 話、聞いてた? 」


「 え? 」


「 聞いてなかったでしょ 」




机の上に置かれた紙の上に
トン、と先生が指をおく。




「 メイドね 」


「 え? 」


「 一之瀬さん、メイドね 」




てっきり”これ、よろしくね”
って言われると思ってた。
いや、書類の整理も嫌だけど
メイドも嫌だ。






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