俺様王子の初恋




「 なに? 」




背中に回されていた腕が
胸まできて、ビクリと肩が上がる。




「 動くと落ちるけど 」




さわさわと彼の手が動くたび
私の体は過剰に反応する。
けど緩んだ顔を見せたくなくて
意地でも顔を上げるか。と
彼の胸に押し当てたまま、首を
”嫌だ”と横に振った。




「 顔、見せて 」


「 ・・・や、です 」


「 俺が嫌 」




ピタリ、と彼は動きを止めて




「 ひゃあああっ!!! 」


「 うわっ 」




両手を離した。





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