俺様王子の初恋
”落ちる”
自分が彼のシャツを強く
握っていたのを忘れて
反射的にぎゅっ、と目を瞑った。
「 随分と、積極的なお誘いだな? 」
ボフン、と背中には柔らかい感触。
笑いを含んだ低い声が耳を掠めて
閉じていた目を、ゆっくり開けた。
「 普通離すだろ 」
掴んだままのシャツ。
私の顔の横には彼の腕。
すぐ目の前にある彼の顔。
艶っぽく濡れた瞳で見下ろされて、
「 なに、キス? 」
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