俺様王子の初恋
「 食う、って・・ 」
ネクタイを離されて
ドサッ、と私はソファに座り込む。
目を細めた彼はゆっくり立ち上がって
昨日私が持ってきた箱の中から
何かを取り出した。
「 俺が地味子、卒業させてやるよ 」
願ってもないことを
あっさり宣言されて
相変わらず愉しそうに
口角を吊り上げた彼を見ていた。
振り返った彼はゆっくり
こっちに向かってきて、
ソファの背もたれに頬杖をつく。
彼の行動を呆然と見ていたら
手を握られた。
「 ・・・オトナにしてやるよ 」
ニヤッ、と笑った彼に
ゾクリと背筋が凍りついた気がした。
握られた掌には錆びた鍵があって、