名前の無い物語
“調和”と“調律”の能力
それが、柚歌が持っている特殊能力
「…消えて。」
瞬間、全ての影に音が包む
すると、さっきと同じように影はパァンと音を立てて消滅した
「これが、嫌な気配の正体?」
あんな生物、この世界には存在しない筈
もしかして…異空の回路が開いたか?
フッと柚歌は我に帰り、ゆっくり首を振った
ううん、異空の回路なんてお伽噺だ
沙耶に教えてもらった…世界と世界を繋ぐ道
そんなの…存在する筈無いのに…
「あっ!」
道路の方に見えた、さっきと同じ影の生物
「まだ居たか…!」
柚歌は後を追いかける
今この世界がどうなってるかはわからない
これから、何が起こるのかも…
でも、何が起こっても私が全力で護ってみせる
『彼』が存在を懸けて、護ってくれた…この世界を
「それでいいんだよね…空?」
角を右に曲がる
すると、さっきとは比べ物にならない位の影が居た