名前の無い物語
どの世界にも繋がっているという、『扉』
それを求めて、遥々吉野達は天界にやって来たのだ
まさか、3つの種族間に起こった事件の真相を知れるなんて思ってもいなかったが…
「…海。」
「分かってるよ、空。」
心配そうに声をかける空に対し
海は強い瞳を向けた
「俺なら、大丈夫だから。」
その言葉に、空は「そっか。」と言葉を漏らす
大丈夫
こんなことは…慣れた事だろ?
悲しむなんて今更だ
これ以上の事を…俺は以前犯したんだから…
「鍵がかかってるわね。」
塔の扉には、厳重な南京錠がかかっていた
古そうなその鍵には、何か魔法がかかっているのか
時々キラリと虹色に光っている
「俺に任せろ。」
空はそう言って鍵の下に行く
柚歌は一歩後ろに下がった
「…。」空は全神経を集中させる
すると、鍵はボロリと音をたてて崩れていった
「それ…破壊の…!」