名前の無い物語
空の言葉に
海と柚歌の顔つきは変わる
みんな疲れているのはお互い様だ
だけど…自分達には立ち止まっている時間はない
吉野はそっと胸に手を当てた
…陽斗、伊織
俺は…本当にこのままでいいのかな?
「…行くか。」
海の声が聞こえた時
吉野も扉に視線を戻す
空の能力によって鍵は壊れた
よって、その扉は簡単に開いていった
ギィィ、と古びた音をたてて開く扉
一歩ずつ足を進めると、広々とした室内の真ん中に存在するエレベーターのようなものに視線がいった
「…エレベーター?」
「これで、その扉まで行けるのかしら?
」
とりあえずエレベーター内に入る四人
だけど、必ずあるはずのものが無いことに気づいた
「…ボタンがない?」