名前の無い物語
拓也の止めも聞かず
棗は廊下を走っていく
「大変!すぐに棗を追いかけないと!」
「あぁ…。ったく、柚月の事になるとアイツ暴走し過ぎなんだよ!」
「待って!私達も行くわ!」
柚歌の言葉に二人は頷いた
けど、すぐに拓也の顔つきが変わる
「棗は箒で行ったよな?なら俺達も箒か、瞬間移動で行かないと間に合わない。」
ようやく桜達も気付く
柚月と吉野に追い付く為には
瞬間移動で近くまで移動するか、箒で行くしかない
けど、桜と拓也は魔法を使えない
「…じゃあ、どうすりゃ…。」
瞬間移動の輝石なんて持っていない
例え持っていたとしても、場所を知らなければ意味はない
チッ、海は舌打ちを吐いた
「僕がやるよ。」