「最低ですよー人ん家の前でいちゃついてるなんて!」

「あ!?何処でいちゃついてようが、俺の勝手だろ!」

「俺ん家の前は止めて欲しいですね!」


いつの間にか、犬猿の仲になってるし。
ケンカレベル低。


「あ、父さん待ってるから、入って入って!」

「あ、律先輩は外で…「なんでだよ!!」

「え〜やだもん…」

「伊織」

「…は〜い。姉さんが言うなら、特別に」

「チッ、嫌そうな顔しやがって」


お邪魔しますと伊織の家に上がった。
わりと片付けられて、シンプルな家。
ま、二人暮らしなら、十分なスペースだよね。

私達は、リビングへ連れていかれた。
リビングもやっぱ綺麗だわ…。
んあ…伊織の写真だ…。
めちゃくちゃ可愛いじゃん!

―ガチャ

「姉さん、父さん連れてきたよ」

「…紫苑…」

「…あんたが、私の父親…?」


伊織が父親似なんだろう。
私とは似てない。



「…紫苑会えるなんて、夢のようだ…。昔はすまなかった…!」


深々と私に頭を下げる父親。
私の父親って、優しい人かも。
心のどこっかで思った。
なんか、純粋な目をしてる。


「気にしてない。あの過去がなかったら、私は律に会えなかったし」

「その子が恋人だそうだね」

「ああ、成瀬 律って言うんだ」


私は、少し自慢げに律のことを言った。
あんな赤ん坊だった私でも、ちゃんとイケメンな彼氏がいるんだから!
とか思って(笑)。


「初めまして…」

「伊織がお世話になってます」


多少、律が伊織を睨み、伊織も律を睨み返してる。
…犬猿の仲やってる場合じゃないんだけど…。
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