WinterAlice*
1章*氷雨*

俺が俺になった日

俺は一匹オオカミ。


に憧れて、
になりたくて、
この世界に自ら足を踏み入れた。
そう望んだんだ。
自分は無敵になった気がして、
   なんでもできる気がして。

本能のまま生きるのは楽しかった。
好きに生きるのは楽だった。
ムカついたらとことん殴った。
殴ることに対してなんとも思わなかったわけじゃない。
最初は。
気に入らなければ誰にだって喧嘩をふっかけた。
だからもうそんなこと慣れた。
やってみると意外と勝てた。
だからちょっといい気になった。
沢山喧嘩を売った。
全部勝った。
そのうち喧嘩を売られるようにもなった。
全部勝った。
何校も潰した。
何人相手でも怖いと思わなかった。
だから勝った。
負けなしだった。

そのうち女が寄って来た。
何人もとりまきを連れて歩いた。
数えきれないほどの女と寝た。
どれだけヤってもいいと感じなかった。
それだけかわいこぶった声と顔で
「いいよ」
とか言われたって何も思わなかった。
そんな暮らしをしていた俺は、
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