WinterAlice*

俺がアイツと出会った日

場面は冒頭へとさかのぼる。

その顔は
どうしてこんな所に人が落ちてるの?
そう言っていた。
まるで捨て猫でも見るように。
しかしその目は何も映していない。

「ねぇ」
話しかけてきた。
「こういう時って世間一般の人はどうするのかな?助けるの?それとも関わりたくないから黙って見なかったことにして去っていくの?それとも蹴ったり殴ったりして弱い者いじめを楽しむの?」
こいつ本気で言ってるのか・・・?
顔は初めての物を見た時のようにキョトンというか・・・好奇心というか・・・普通じゃない。
しかしその目は何も映していない。
「今私の事変、て思ったでしょ?いいよ。慣れてるから」
変を通り越しておかしい。
「ねぇってば。何か喋ってよ。もしかしてもう死んでる?」
俺は精一杯首を横に振って否定を表した。
「あ、喋れないのか。何かいる?」
「と・・・とりあえず飯・・・」
「わかった」
そう言って走り出した。
でも今日は雪が積もっていて、あと滑りやすくて・・・
ゴテーン!!
転びやがった。
ゆっくりと立ち上がる。
泣いてなかった。
ふぅ。
そしてトテトテと歩き出す。
今度は歩いていくようだ。
転ばないのはいいことだ。
でも、

早くしてくれ!!
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